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最高裁判所第一小法廷 昭和38年(オ)563号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由について。

上告人の本訴主張のように供託金制度や選挙運動費用の制限が憲法一四条、二二条の趣旨に反し公職選挙法九二条、同法施行令八八条所定の供託証明書の添付のない上告人の立候補届出の不受理が違法であるというのであれば、知事選挙終了後公職選挙法二〇二条以下の規定により右不受理の違法を理由に選挙無効の判決を求むべきであつて、右不受理という個々の行為の違法を主張して、これが取消を求めることは許されないものと解するを相当とする。

右と同趣旨に出た原判決の判断は正当である。論旨はすべて原判決に副わない憲法論を縷々論述するだけのものであつて採るに足りない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い裁判官全員の一致で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 入江俊郎 裁判官 斉藤朔郎 裁判官 長部謹吾)

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